ボーンブロスはダイエットにとても役に立つというが、鉛の摂取量が多くなってしまうのではないかと言われることがある。
本当にボーンブロスは鉛の摂取量が多くなって、健康リスクが高まるのだろうか。
ブロスの鉛リスクについて調べた。
ボーンブロスダイエットを始めようと思っている人は参考にしてほしい。
ボーンブロスの鉛リスクと論文
- ボーンブロスから抽出される必須金属と有毒金属に関する研究(台湾 2017年)
ブロスから抽出される多くの金属がどの程度含まれているのかを調べている。
数種類のブロスについて調べているが、1食分に含まれる鉛(元素記号Pb)は数㎍程度としている。
要するに問題ないと思われるということ。
- ボーンブロスに含まれる鉛汚染のリスクについての研究(イギリス 2013年)
有機チキンを使ってチキンブロスに含まれる鉛の含有量を調べている。
1Lあたり7.01㎍および9.5㎍が含まれていると報告をしている。
水道水よりも高濃度で、医者がブロスを勧める時にはリスクの説明が必要ということになっている。
そして、それに疑問を投げかけているサイト

要は、鉛汚染されたサンプル(チキン)を使った実験の研究を発表しているのではないか?という事を言っている。
日本人がとっている鉛の量と比べる
上の論文で書かれていた数μg(マイクログラム)/Lというのは、どの程度の量なのだろうか?
日本人が日常的にとっている鉛の量と比較をしたい。
下のグラフは農林水産省のページの鉛に関しての食品安全に関するプロファイルノートのデータから作成した。
- 鉛の食品群別摂取量(2004-2013 年平均)

日本人はコメからとる鉛の量が多いことがわかる。1日に5㎍ほど。
他にも、野菜・海藻から鉛をとる事が多いのが日本人の特徴と言えるだろう。
コメからの鉛の量が多いのは、コメに多く鉛が入っているというよりも、
コメが主食で沢山食べた結果、コメからとる鉛が多くなってしまうということだそうだ。
要するにコメが悪いわけでは無いという事。
ボーンブロスは1Lあたり7~9㎍程度の鉛が入っているので、1日500ml程度ボーンブロスを飲むとコメから取る鉛の量と同じくらいになると考えられる。
コメからとる鉛を気にしていないのであれば、個人的にはボーンブロスの鉛をあまり気にする必要はないだろう。
気になるならボーンブロス飲む日にはコメを食べない、というのも手だ。
ボーンブロスダイエット的にはその方が効率が良い。
ちなみに500mlのボーンブロスのスープはだいたいコップに2、3杯程度。
鉛の摂取制限を超えている?
ボーンブロスは鉛の摂取制限を超えているという動画があったので、確認をした。
「How Much Lead Is in Organic Chicken Soup」という英語の動画。ちょっと長いのでスクショ。

チキンのボーンブロスの研究について述べている箇所がある。
動画では最大で475% 鉛の量が最大許容量を超えていると言っているが、最大許容量が何μgなのかというのは良くわからない。
また、どこの国の基準なのかも不明。
そして、動画中の数値は上に挙げた論文の2013年のイギリスの研究と同じなので、おそらくこのイギリスの論文からとってきたのであろうというのが推測できる。
ちなみに最大許容量は先述の農林水産省の食品安全に関するプロファイルノートに
許容基準値・最大基準値
【米国】 ○密封飲料水中の許容基準値 [21CFR165.110] 0.005 mg/L
と載っているので、5㎍/Lになると思う。そして
【EU】 乳製品の最大基準値は0.020mg/kg
つまり20㎍/kgということ。
アメリカの基準の方が厳しそうなので、1Lあたり5㎍であれば確かに超えていることになる。
EUの(乳製品だけど)基準では超えていないことに。
まぁ、たくさん超えているって言った方がセンセーショナルな感じがして視聴者ウケがよいのだろうとは思う。
ボーンブロスの鉛リスク まとめ
今回の結論としては、ボーンブロスをガブ飲みするのでなければ鉛のリスクはほとんど無い。
としたい。
要するにそこまで気にしなくて大丈夫。
どうしても気になるのであれば、鉛の摂取量が結果的に多くなってしまう要因のコメを控えるようにしよう。
コメの代わりに1日に2,3杯のボーンブロスを飲むというのであれば全く問題ないと考えられる。
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